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補聴器の「フィッティング」とは、使用する人に合わせて聞こえやすいように、補聴器を調節していく作業を総称した言葉です。難聴の種類や進行状況によって、どのタイプの補聴器を選び、どのように調節すれば聞こえやすくなるかが変わってきます。さらに会話を通して補聴器の使い方や注意点などの説明を受けるのもフィッティングの一部となります。

補聴器のフィッティングは、補聴器フィッター(補聴器技術者)が行うのが一般的です。しかし、どの補聴器フィッターにお願いしても良い結果が得られるというわけではなく、実際には補聴器の調整に細かな作業が要求されるので、その補聴器フィッターの知識や経験、技能よるところが大きいです。また、経験だけが長ければよいというわけでもないので良いフィッターを見つけるのは難しいですが、知識・経験・技能の全てが揃っているフィッターの方が理想になります。

補聴器の基本調整は「利得」「最大出力」「音質」の3つ

補聴器の基本的な調整は、「利得」「最大出力」「音質」の3つからなります。ここからは、それぞれの調節方法に関して具体的に紹介していきます。

    聴覚で探知できる最小の音を調節する「利得」

    人間にはそれぞれ、聞き取れる範囲である「聴野(ちょうや)」があります。この聴野は耳の聞こえ(難聴の進行度)によって変わり、聞こえが低下するほど聴野は狭くなります。聴野が狭くなると、聴野の範囲外の小さい音が聞き取れなくなります。

    この小さい音を聞き取ることができるように、その人が聞き取ることができる最小の音(最小可聴値)の位置まで会話音声の帯域を増幅する必要があります。この会話帯域をちょうど良い大きさ(快適閾値)まで増幅させるための調節を「利得調節」といいます。

    大きい音の不快感をなくすための調節「最大出力」

    聴野の範囲には、最小可聴値とは別に、その人が不快だと感じる音の大きさ(不快閾値)があります。「利得」で音を増幅させると、会話帯域の大きい音が不快閾値を越えてしまい、音が響いたりして不快に感じることがあります。そこで「最大出力」を制限することにより、大きい音を抑えるように調整します。この調整を「最大出力調整」と呼びます。

    周波数のバランスを聴覚特性に合わせて調節する「音質」

    周波数の高い音、周波数の低い音を、使用者が聞き取りやすくて疲れにくいように、音のバランスを考えて調節することを「音質調整」と呼びます。この音質調整では、雑音が入ってこないかを確認することも大事です。

フィッティング、補聴器の基本的な調節のおさらい

  • フィッティングとは、使用者に合わせて補聴器を調節していく作業の総称です。
  • 補聴器の使い方や注意点などの説明を受けるのもフィッティングの一部。
  • 良い補聴器フィッターは、知識・経験・技能の全てが揃っている。
  • 「利得調節」で、聴覚で探知できる最小の音を調節する。
  • 「最大出力調整」で、音の不快感をなくすための調節をする。
  • 「音質調節」で、周波数のバランスを聴覚特性に合わせて調節する。

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